フルーツはあっという間に完食されたが、それでも話が途切れることは無かった。

そういえば、有貴に贈られたフルーツなのに、その本人はあまり口にしていなかったような。

柚里も剥くだけで、殆ど食べていなかった。

今更ながら、なんだか申し訳ない。


気が付けば、窓からは三日月が覗いていた。

もうそんなに時間が経っていたとは。


「ごめん、そろそろ帰るわ」

「えー、今7時だろ?まだまだこれからじゃん」


一同、ブーイング。

こいつらは酔っ払いか。

酒でも入ってるのかもしれない。


「馬鹿!もう7時だから!俺はともかく、小学生と女の子を遅くまでいさせられねぇだろ」

「流羽って紳士だね。村山先生みたい…」


腕を伸ばして、俺をぎゅっとしようとする有貴。

嬉しいけど、有貴までおかしいよ…

一体何にアルコールが混じって…

つか、村山先生って誰だよ。