「これ、向日葵じゃないんすか!?」

「ゴールデンピラミッドって言うんですけど、向日葵の仲間なんです。丁度この時期が1番綺麗ですよ」

「花言葉は、何て言うんですか?」


柚里が尋ねた。


「崇拝。または、君の傍にいるよ…ですね」

「今の流羽くんと小泉くんに、ぴったりじゃない?」


そう言って、俺の方を見る柚里。


君の傍にいるよ、かぁ。


「じゃあこれ、花束にして下さい!」






「兄ちゃん、待ちくたびれたー」


翔は店内に入らず、外で待ちぼうけていた。


「ごめんごめん。でも、この花見てると、なんか元気出ない?」


黄色く咲き乱れるゴールデンピラミッドの花束を、翔に見せる。


「その花のチョイスは兄ちゃんらしくて良いと思う」

「ありがと!病院まで急ぐか!」


商店街を抜け、少し歩いた所に病院はある。

早く、有貴の顔を見たい。

この贈り物に、一体どんな表情をするのだろう。

花束を大事に抱え、病院へ向かった。