「兄ちゃん、どう?カッコいい?」
ようやく納得のいく姿になったのか、翔が満面の笑みでそう尋ねる。
「カッコいいよ。ほら、翔の鞄。さっさと行くぞー」
慌ただしく玄関を出ると、そこにはお見舞いのフルーツの盛り合わせを持った柚里の姿が。
「待たせてごめんな!」
「僕の身支度に時間が掛かっちゃったんだ。柚里ちゃん、ごめんなさい」
俺と翔、2人揃って頭を下げた。
「全然気にしてないよ!その分、翔くんはカッコよくなったし、良いんじゃないかな?」
翔に微笑みを投げ掛ける柚里。
「僕、カッコよくなってる!?」
「うん。流羽くんにそっくりでカッコいい」
「そっかぁ、嬉しいな!兄ちゃんにそっくりだって、僕!」
翔は嬉しそうに俺の顔を見てそう言った。
俺に似ていると言われ喜ぶ翔に、心がじんわりと暖まる。
素直で良い弟だ。
「途中、花屋に寄ってもいい?」
「わかった!」
「じゃあ、行くかぁ」
俺、柚里、翔の不思議な組み合わせで、まずは花屋へと出発した。