「え?う、うん…。」

私は、爽の言いたいことなんて、全く察しがつかなかった。

「今はいない、って言ってたけど、さ。……昔の彼氏、とか。」

私は、驚きで赤面した。

「な…ッ!?い、いないよ!?誰かと付き合ったこと無いし…!!」

「…ホント?」




そういう爽は、少し上目遣いで、その表情は、どこか切なげ、瞳は少し潤んでいるようにも見えた。



……ッ!!!!

な、なんでそんなカオするの…!?

そんな目で見られたら、私……





本当に、好きになっちゃうよ……





「ほ、本当だよ!?何でそんなこと、聞くの!?」

「更莉ちゃん、可愛いから。」

爽は、私の目を真っ直ぐ見て、今度は、とても穏やかに微笑みながら、そう言った。

「もう、やめてよ!」

私は、あくまで冗談として受け取ったフリをした。

「そういう爽は、どうなの!?」

言った瞬間、ハッとした。

聞きたい。

でも、それと同時に、知るのが怖い。

「……僕?」