不思議だ。

たくさん眠っていた気がするのに、実際、あまり時間は経っていなかった。

安心しすぎて、深く眠りについてしまっていたのだろうか。

―…覚えていないけれど、何だか、幸せな夢を見ていた気がする…。



まさに、夢の中の夢、だ。
なんて、ね。





しばらくすると駅に着き、私たちは外に出た。

混んでいたため、はぐれないように、と、爽は手を繋いでくれた。





しばらく歩くと、遊園地に着いた。



「わぁ…、なんか、久しぶりだなぁ。」

爽は、嬉しそうな声で言った。

「爽、ここ、来たことあるの?」

「うん。幼い頃に、両親とね。更莉ちゃんは?」

「友達と何回か来たことあるけど、ちょっと久しぶりかなぁ。」

爽は、私の顔をじっと見つめた。

「な、何…?」

「友達と、だけ?」