コンコンッ…―。


「坂田先生。寺沢です…」

妙に静かな指導室の扉にノックをし、部屋に入ると先ほどまで曇り空だった空は綺麗な夕焼け、オレンジ色に染まっていて…―


そのオレンジ色に染まった貴方は、すごく淋しそうな顔をしていた。


「あぁ、寺沢!ほら、ここ座れよ」

私に気が付けばすぐ笑顔になって…
そうやってまた、私の心をかき乱す。


「…先生…。今日はなんですか?」

静かな部屋に、先生と二人。
最近おかしい私は胸がどきどきいっててうるさい。


きっと、恋愛ドラマの見すぎだと、自分に言い聞かせてゆっくりと先生に問い掛ける私は、いつもの私じゃない…―。