「英語は解らないので…すみません。」

坂田先生を見ながら少し頭を下げる。


お願いだから、私を目立たさないで…―。


「じゃあ…今日放課後指導室こいよ?…お、チャイム鳴っちまった…授業終わり〜。寺沢?またあとでな」

「は?…え、あ、ちょ!!」

呼び止めようとしたときにはもういなくて…
本当に勝手な人…


あの人は"男"でも
"知り合い"でも"友達"
でもない。


私のクラスの担任の
ただの"先生"。

ただ、解らない英語を
教えてもらうだけ…――。