絶対的に無理な話だ。

結局は俺も騙されていた、
ただそれだけの事。

「そーゆー事かよ…。」

俺は静かに言って席を立ち
そのままバーを後にした。

「待って!栗原くん…!」

安西が俺を追いかける。

俺の名前を呼ぶな…。
辛いから………
安西に呼ばれる事が

「栗原くん!」

何度も安西が俺を呼び止める。
だが、俺が振り返らなかった。

それでも安西は叫ぶ。

「違うの!栗原くんだけは、本当に好きなの!だから…」

その後は聞こえなかった。

安西の高い声が
星が輝く夜空に響いた。



さよなら…………

安西