声がした方に安西が勢い良く振り向いて
男の名前を発した。

たくや…?

俺も振り返るとそこには
すごい形相をした男が仁王立ち…。

「お前、もう他の男かよ?!」
「違うの…この人は」

この安西の言葉は、俺か卓也と言う男に
向けたものなのか分からなかった。

「何が違うんだよ!おいお前!」

卓也が俺に向かって声をあげた。

「この女は、俺と初めて会った日に俺とヤって付き合ったんだ。こんな女、はまるまえに辞める事だな!」
「ちょっと…卓也やめて!」

安西の焦り方といい
この男の形相といい
この男が言ってる事が
嘘だとは思えなかった。

この事実を、
受け入れろっていうのか?