そしてその前日。

地元の友達と2人で居酒屋に来たアタシは
栗原くんの事を話した。

「やばいじゃん、友華。あそこ、友華の元カレとセフレの溜まり場でしょ」

そう。あそこには、元カレやセフレが
うじゃうじゃいる。
話しかけられたら
ひとたまりもない。

「そーなんだよねぇ…」

後悔先に立たずって
この事か、と痛感するアタシ。

「どーしよ…」

と、頼んだビールをいっきに飲み干すアタシ。

「どーもこーもないでしょ。初恋なんだから頑張りな!」
「そーだ…あ!」
「なに?どーしたの?」
「栗原くん……」
「え?!どこ?!どれ?!」
「あれ……」

アタシは、少し離れた席に
栗原くんを見つけてしまった。

こっちには気付いてないみたい。

良かった…。
ビール飲み干した所なんて
見られたら………

「格好良いじゃん!友華、頑張れ!」
「あんた、さっきから頑張れしか言ってないし」
「だってそれしか言えなくない?」
「まー確かにね。」

アタシ達は早めにそこを出た。

栗原くんに気付かれないように…