この出来事は、突然訪れた。

ムカつくくらい晴天で
雲一つない8月の空。

ここから見えるビルの向こうに
昨日の雨の黒い雲が残っていた。

「んーっ…」

アタシはベッドから体を起こすと
やっぱり裸で。

夏休みに入って汰壱は
毎晩アタシを抱いていた。

休みは嫌い…。
一日中ウチに居ると
汰壱の機嫌が上がり下がりするから。


ふっと、隣で寝ている汰壱の姿を確認する。

でも、隣で寝ているはずの
汰壱の姿は無かった……

ドキッとしてリビングに
裸のまま向かうアタシ。

すると、汰壱はリビングのソファーに
腰かけていた。

「汰壱…起きてたんだ。起こしてくれれば良かったのに…」

汰壱に話しかけるのさえ
勇気がいる………。

「………」

でも汰壱は何も答えず
下を向いてるだけ。

「汰壱…?」