つぎの日、起きると
アタシは裸のまま、ベッドの中に居た。
汰壱は昨晩、
アタシが意識を手放すまで
抱き続けた。
「ん……痛っ!」
瞼に走る痛みで昨日の出来事を思い出す。
と、涙が溢れてきた。
知らない間に絆創膏や湿布が
身体中に貼ってあり
それが汰壱の唯一持ち合わせている
愛情だと思った。
「痛いよ……汰壱っ…」
アタシは、はっと我に帰って
泣いている場合じゃない事に
気が付いた。
時刻は6:30。
支度を始めなければ学校に間に合わない。
アタシはさっと朝食に
トーストと目玉焼きを作り
汰壱を起こした。
怒らないように……
静かに声をかける。
「た、汰壱…。朝だよ?」
「んぁ~…」
汰壱は大きなあくびをして
起き上がった。
良かった………。
大丈夫みたい………
「服着て。朝ごはんあるよ。」
アタシはまたやんわりと言った。
汰壱は黙って服を着始めた。
でも、
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間。