そして今日も………
───パリーン
───ガッシャーン
部屋中に
ガラスの割れる音が響きわたる。
汰壱は今日も機嫌が悪い。
理由は親から
「帰ってこなくていい。」
と連絡が入ったから。
「あ゙ー!お前のせいだよ!」
アタシは飛んでくる皿やリモコンを
体で素直に受けていた。
別にここに居てくれなんて
頼んだ訳じゃない。
「お前かばったせいでよー!」
むしろ汰壱が、「まだ帰れないから」
と此処にいるんだ。
「汰壱…っ!痛い!」
コップが目に当たって
割れた破片で瞼を切ったアタシ。
「っ…!さくら!」
流れてくる血を見ると、
汰壱はアタシに駆け寄ってきた。
「ごめん…さくら…ごめん。今の八つ当たり。」
そう言って強引に
アタシにキスをする。
もう優しさの欠片もないキス。
やっぱり……
みんな同じなんだね。
アタシは…………
売女だから。
汰壱のキスは
ただただ苦痛で、無だった。
もう汰壱には
アタシに愛情を持ち合わせていない
そう感じた───。