部屋に居ても、
汰壱の事ばかり考えてしまうアタシは
晩御飯を買いに、外に出た。
コンビニまで行くと、
聞きなれた声が耳に入ってきた。
「さくら?どーした、こんな所で。」
出入口の傍で立ち読みをしていた男が
アタシの名前を呼んだ。
「タカアキ……。」
「久しぶり。」
タカアキという男は、自称19歳。
アタシが援交して初めての客。
こいつは、処女だったアタシを
不思議がって抱く事はしなかった。
そして、アタシの全てを知っている…。
「最近、ヤってないんだって?」
どこからそんな情報を得るのか、
タカアキはアタシにそう言ってきた。
「まあね。てかカレシ出来たし。」
「うっそ?まじで?どのくらい?」
「うん。今日、記念日。」
何ヵ月、とか言ってみたい。
「は?なんで一緒に居ねーの?」
タカアキから質問攻めをくらうアタシは
コンビニの外で座って話していた。