「は?なんでっ?!」
アタシは誰も居なくなった放課後の教室で
ヒステリックに叫んだ。
「だから!明日にずらしてって」
「意味分かんない!彼女とその女、どっちが大事なの?!」
アタシの声が教室から廊下まで響く。
今日は汰壱がウチに泊まりにくる筈だった。
なのに汰壱、友達の女が事故ったらしくて
今日はそっちに行くと言い出したんだ。
「そんなん、さくらに決まってんだろ?!」
「じゃあ、今日はアタシと居てよ!」
自分でもびっくりした。
自分の口から、"彼女"、"アタシと居て"
なんて言葉が出るなんて……
「だから!さくらは明日でも会えるだろ?そいつは、危険な状態で…っ!」
は?は?は?
「さくらは明日でも会える…?」
自惚れないでよ…!
「もういい!勝手にすれば?!いつも勝手なんだから今日も勝手にすればいいじゃない!」
アタシはそう叫んで教室を飛び出した。
違う……
違うよ。
いつも勝手なんだから
今日くらい良いじゃんって
言おうとしたんだよ?
この時アタシは、どうすればよかったの?
話してくれないで行かれるより
マシだけど……。
聞き入れるべきだった?
ちゃんと考えてくれてたもんね…。
アタシはそのままウチに走って帰った。