けれど、火を覗き込んでいると、腕や服から露出したところがあぶられた。

腕まくりをしていると、英樹にやられた傷が疼きだすのだ。
 
英樹は巧妙に、服の下に隠れるところだけを、攻撃してきた。

でも、季節はお構いなしだった。

夏でも、腕にあざを作られて、長袖で隠さなければならなかった。

お陰で浩之はどんなに暑くても長袖ばかり着ている変わった子だった。