右側に待機していた男が仲間が片付けられた事に逆上し、すぐさまキルテたちに襲いかかろうとする――が、

「ひィッ!!」


 容赦ない銃弾の連射が彼を襲う。当たりはしなかったのだが、下手をすれば死んでしまう程に弾はギリギリでかすっていき、一気に彼から戦意を奪っていった。


「怯むな!!!ガキの方は丸腰だぞッ!そいつを狙え!!」

 後ろからつけてきた男の一人が声を張り上げ、それを合図に残りの人間がキルテに襲いかかる。

「あ?」


 男の言葉に眉をぴくりとさせると、キルテは上体を前に少し倒し、小さな声でこう呟いた。





『辻風(ツジカゼ)』