「――…っ」

 暗闇に慣れていたせいで、より一層眩しく感じる日差しに目を細めるキルテ。

 洞窟内は複雑なのだが、討伐任務に向かう際には必ず通る道。迷うことなど無く、二人はすぐに通り抜けることが出来た。


 そして二人は森の道をまっすぐに歩いていく。

 ――暫く歩いたところで、エークが小さな声で言った。


「…ごめん、キルテ。後ろから二人につけられているのと、
囲まれているのも判るんだけど…位置にあまり自信がないから、良かったら教えてくれないか?」

「……オレらが居る道のちょうど両脇に一人ずつ。左の奴は木の上、右は木の影に隠れてる。
あとは、この先に道を挟んで二人…なんなら全部オレが片付けてやろうか?」

 キルテは質問に答えると、少し身構えた。


「そうか。ありがとう」

 エークは笑顔でお礼を言うと、腰に提げられた銃に手をかけると、素早く左の木の上に向けて引金を引いた。

「うわッ!!」

 銃弾は木の上に隠れていた男の髪を擦り、それに驚いたその男は木の上から地面に頭から落ちた。

「――…このッ!!」