キルテはエークの腰に提げられた銃を指差した。

「ああ、これか?」

 エークは振り向いて銃を軽く押さえると、キルテに聞き返す。

「そんなもん、お前には必要ねぇだろ」

「まぁ…確かにそうなんだけど…最近“あれ”は使ってなくて、こっちは宿舎内でも練習できてたし、感覚を思い出すまではこっちを使おうかと思って」

「…お前の能力も相当特殊だもんな」

「だよなぁ。自分でも吃驚だよ」





 そんな話をしているうちに、二人は山を抜けるための洞窟の前に着いた。

 この洞窟はこの山を貫通していてトンネル状になっており、ここを通り抜けると平野へと続く森に出る。