沖野先生の表情は、淋しげだけど、どこか力強い決心を秘めた笑顔だった。

きっと美雪にも、そう言ったんだろう。



俺が黙っていると、沖野先生は『教師』の表情に戻った。

そして歩き出し、俺の肩をポンと叩いた。



「もうそろそろ戻らないと、みんな心配するんじゃないのか? 明日で部活引退だろ? 頑張れよ?」

そう言い残して、沖野先生は校舎の方へ戻って歩いて行った。