「なぁ、隆志」

「はい?」

「『2人の間に入り込めない』って言うならさ……2人毎、包み込むしかないと思わないか?」

「えっ?」

「出会った人達との思い出があったからこそ、今のその人が居るんだろ? 過去は変えられない。人と人の付き合いって、恋愛だけじゃなく、友人関係や教師と生徒だって……それまでのいろんな経験をした『今の自分達同士』で付き合うしかないんじゃないか? だから」

「だから?」

「東野が僚二の事を忘れる必要は無い……俺はそう思う」



ギュッ

胸が締め付けられる。