「隆志が俺に話、って……意外だな?」

俺が美雪達の後ろ姿を見送っていると、沖野先生がそう言ったのでハッとした。



「ここで出来る話なのか?」

「出来れば他の人には聞かれない所で」

「じゃぁ、こっちで」

そう言って沖野先生は体育館の裏口からは死角になっていて、今日は誰も行き来しないプールの裏手へスタスタ歩いて行った。



「ここなら大丈夫だろう? で? 話って?」

俺が『話がある』って呼び出した筈なのに、すっかり沖野先生のペースだった。

いざそう言われると、何から話していいか戸惑う。