悔しい事は悔しい。

でも。

美雪の笑顔を見ていたら、そんな俺のつまらない嫉妬は、どうでもいいように思えてきた。



ん?

美雪を見ていたら、急に美雪の表情が曇った。

そして視線を会場へ向けていた。



ああ、そうか……。



会場からは時折、『沖野先生、カッコイイ!』と女子生徒から(たまに男子生徒からも)声援が飛んでいた。

美雪の表情は『嫉妬』と言うものではなく、不安げな感じで淋しそうなものだった。