わたしのその言葉に、皎はしばらく黙ったまま何かを考えているかのような表情を浮かべていました。


そうして、おもむろに頷いた後、わたしに向かって言いました。


「そう………かもしれないな。
ミウもお前みたいに優しい奴だから。」


そう言うと皎はわたしの手を取り、その甲に唇を落としました。


いつもの、めまいに似た感覚がわたしを襲います。


くらり、と。


倒れそうにバランスを崩したわたしを抱き留め、皎はわたしの耳元にも、その紅薔薇のような唇を押し当てました。