「ミウも………あの時、そんな風にして佇んでいた。
そっと胸を押さえて。」


皎はそう言いながら、わたしの手に自分の手をそうっと重ねてきました。


「月の世界の決まり事の所為で、あの時俺はミウに触れて慰めることは出来なかった。」


そう言うと皎は触れた手をきゅうっと握りしめ、わたしを引き寄せました。


「代わりみたいで悪い。」


ぽそり、と耳元にそう呟き、皎は抱き寄せたわたしの背中に手を回して。


激しく抱き締めました。