皎の話はそこで途切れ、そして引き結んだ紅珊瑚のような唇は、それ以上のお話を紡いでくれそうな気配がありませんでした。
「月の乙女達は、みんなそうなの?」
わたしは尋ねました。
「………そう、とは?」
「生まれてすぐに………ってところ。」
尋ねたことを質問で返されて、わたしはもう一度皎にそう尋ねました。
「あぁ。」
皎はそれに頷いて答えます。
「月の乙女達はみんな、生まれてすぐに命を落とした子供で母の腕に抱かれた事がなく、その温もりを知らない少女達だ。」
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