「あたしの話を聞いてくれてありがとう。
あなたが聞いてくれたおかげで、もう少しだけ頑張れる気がするわ。
たとえ、ママがあたしの事を思い出したくないって思っていたとしても。」


そんな言葉を残して、ミウは女神さまの館の方へと去っていった。


ありがとう、機会があったならまた、会えるかな、と小さく告げて。


俺は、その小さな背中を見送りながら、ミウの想いがいつかミウの母親に届く事を祈らずにはいられなかった。


それが奇跡に近いものだとよく知っている筈の俺なのに。