「………その言葉は、今年も届かなかったんだな?」


わざわざ聞かなくても、判っていることを俺は尋ねる。


もし、ミウのその悲痛な呼び掛けが届いていたなら、ミウは今ここでひとりで泣き濡れている筈がない。


我ながら、意地悪なことを訊いているという自覚はあった。


案の定、ミウは俺の問いに頷いて返答しただけで黙り込んでしまう。


「………もう、無理なのかな。
期待はしない方がいいのかな?」


しばらく経って、漸くミウの口から出たのはそんな諦めの言葉だった。