俺が名乗るとミウは、あ、と声をあげた。


「コウ………って、どんな字を使うの?」


小首をかしげて問うミウの質問の理由が理解できていた俺は、あぁ、と納得して答えた。


「白いという字と、交わるという字を書いて、皎、と書くんだ。」


空中に名前を書いて見せながら、俺はミウに説明した。


「それより、なぜ泣いている………と、愚問か。
里帰りの月だったな。」


ミウに疑問を投げ掛けながら、すぐに答えに思い至った俺は自ら答えてしまった。