そいつの名はミウと言った。
月の女神様の館にお仕えしている月の乙女の一人で、後で教えてもらった時には、美しい縫い取りが出来るのよ、と少しはにかみながらも自分の仕事に誇りを持っているのがよくわかる表情を浮かべていった。
だが、俺が出会った時の彼女は地上への門に続いている路の傍らで、ほろほろと涙を流していた。
月の乙女と月の使いは普段出くわすことはないし、出会ったとしても互いに言葉を交わすことはない。
それは、月の女神様が示しているご意向に沿っての決まり事だった。
月の女神様の館にお仕えしている月の乙女の一人で、後で教えてもらった時には、美しい縫い取りが出来るのよ、と少しはにかみながらも自分の仕事に誇りを持っているのがよくわかる表情を浮かべていった。
だが、俺が出会った時の彼女は地上への門に続いている路の傍らで、ほろほろと涙を流していた。
月の乙女と月の使いは普段出くわすことはないし、出会ったとしても互いに言葉を交わすことはない。
それは、月の女神様が示しているご意向に沿っての決まり事だった。