「だって、せっかく貴方が来てくれる満月の夜をひとつきの間待っていたっていうのに、雨が降っていて月の光が届いていなければまた、もうひとつきの時を待たなければならないのでしょう?
そんなのは悲しいもの。」


そう、わたしが告げると皎はおかしそうな表情を浮かべて言いました。


「雨をもたらすのは雲だよな?」


「え?
ええ。」


皎のそんな物言いに少し不思議な感じを覚えながらも、わたしは返事を返します。


「それじゃ、雲の上の天気は?」