「そんな風に言われても、この状況で驚かないでいられるのだとすれば、余程の胆力の持ち主だと思うわ。」


わたしは、そんなふうに訴えながら、彼を部屋の中へといざないました。


そう。


今日は望月の夜。


皎がわたしの窓辺を訪れてくれる日だったのです。


「それに、あなたの来る今夜のお天気が、気になってしまってずっとやきもきしながら空ばかりを気にしていたんだし。」


皎を迎え入れながら、わたしがそう告げると、彼は面白そうに聞き返しました。


「天気が?
何故?」