じゃあな。また、次の満月に、な。


そう、囁いた彼は、もう一言、わたしに伝えてから、姿を消していました。


風の吹き抜けた後、わたしが目を開けた時には、もう。


そこには。


皎の姿はありませんでした。




奴は、風になった。



皎が教えてくれた、その言葉を、わたしは心の中で、繰り返してみました。


ラン…風になって。


そうして。


この季節に、激しく吹きわたるのね。


………青嵐。