ふたたび、この世界で生きるための名前には。


皎がその名で呼ばれることを渇望していた、この名前こそがふさわしいと。


そう考えてわたしが名付けた名前を初めて呼んだ時に、わたしの中にわき上がってきた深い喜びの感情は、ただわたしの気持ちだけではなく、皎の気持ちも重ねられていたようでした。


そうして、その喜びはわたしがその名を口にする度に繰り返されるのです。


「ねぇ、兄神様がお務めを終えて西の空へ帰っていくわ。」


外の風景を見せるように、縦に抱いた吾子の顔に残照がきらりと足跡を残します。