「ほら。
貴方の手はとても暖かいわ。」


彼の手よりも少し冷たいわたしの頬に彼の手を導き、そっと押しあてると彼の身体がびくりと反応しました。


そうして。


皎は信じられないものを見るような表情を浮かべて。


するりとわたしの腕の中から抜け出ました。


「なぜ、俺は………?」


自問するような言葉を絞りだし。


皎はよろよろと立ち上がって窓辺へと近寄ります。


「………皎?」


皎の態度にわたしが呼び掛けると、皎は振り返って迷子の子供のような表情でわたしを見ました。