「………貴方の為ですもの。
貴方を想っているだけで、わたしの言葉は勝手にあふれ落ちるの。
そう。
泉が自然に湧き出すがごとく。
熟した果実が勝手に枝を離れるがごとくに、ね。」


重ねてそう告げたわたしに顔を上げた皎は口の端を上げて笑い、わたしの顔をじっと見つめました。


「いつも、お前の言葉には救われている。
今夜も、お前に話すことが出来てよかった。」


穏やかな表情で言った皎の表情には、偽りなく本心からそう思ってもらえたことが読み取れました。


「そう思ってもらえたのなら嬉しいわ。」