「そうやって、貴方はずっと木枯らしの声を聞く度に自分を責め続けているのね。」


わたしは、そうっと皎の方へ向きを変えると俯いている彼の頭を胸に抱きました。


「貴方が自分を責めることはないわ。
仕方がなかったのよ。
だって、ふたりが出逢ったのは運命だったのですもの。」


胸に抱いた皎に、わたしは静かに語りかけます。


そうです。


ひとつだけなら偶然でも、いくつもの偶然が重なった出逢いだったのであるならば、それは運命と言ってしまっていいのです。