ふたりは偶然が重なっただけの、その出会いを運命だと信じてしまった。


ソウと、その少女はお互いが互いを運命の相手だと感じていることを言葉など一言も介さずに知っていた。


そうして。


ふたりの住む世界が違う以上、ふたりの上には瞬く間に別れの時が訪れるということをも、ふたりは識っていた。


「離れる事なんて、考えられない。」


ソウの悲痛な声に、少女は頷いて同意を示した。


「この世界を捨てて、僕と一緒に行こう。」


ソウの誘いに、少女はコクリと首を振って返事を返した。