リンちゃんが見えなくなると、足立先輩は茉莉のほうを向いて言う
「あれがリンちゃんかよ!ありえねぇ」
「たしかに、あそこまで無表情なリンちゃんを見るとは思わなかったな」
先輩たちは、学校のリンちゃんをよく知っているようだから、
なんか驚いた風だった
私から見ても、あそこまで無表情の人は見たことがない
と思うくらいの無表情さだった
「リンちゃんは、外面いいですから。でも、あの無表情が見れるってことは、それなりに先輩たちも信頼されてるんですね」
茉莉は、やはりリンちゃんの無表情になれているようで、
笑いながらそんなことを言った
茉莉は、心なしか楽しそうだ
風邪をひいているなんて思えないほどに元気だった