「こっちだよ」



その行動を見た原中先輩が、私に声をかけた


足立先輩が進んでいる方向は、真っ直ぐ・・・



「もしかして紡ちゃん、分かってなかった?」



原中先輩は、そう言って前をむいた


そこには、やっぱり女の子なんていない



いるのは足立先輩と、さっきの男の先生・・?


もしか、して―――――



「リンちゃんって、あの先生だよ」




・・・・・



「え・・・?あの、男の若い・・先生、ですか?」



「そう。林田先生だからリンちゃん」




茉莉ちゃんはリンちゃんの幼馴染みなんだってさ。家がお隣だって言ってた。


という先輩の声が、もうあまり耳に入ってこない



リンちゃんが、まさかの男

しかも先生



その衝撃の事実に驚きを隠せないまま、

私はさっき以上に無口になって、

先輩の後ろを歩いていった