「俺、落書き苦手なんだ。やってくれねぇ?」 落書きコーナーに入ると、 一樹はそう言って手を合わせた 私も苦手なんだけどな… なんて思いながらも、 「分かりました」 と返事した私は、落書き用のペンを握る とりあえず、適当に文字を書いて、 それからスタンプを押して――― スタンプが並んだ落書き画面を見て、 ペンが止まるのが分かった 私の目線には、サッカーボールのスタンプ