『どうぞ』



独り暮らしのマコトは、狭いアパートを借りていた。


『お邪魔します…』



『とりあえずタオル』



『ありがと』



(ドキン…ドキン…)



『コーヒーのむ?』



『あ、うん』



『あと着替えな』



(なんか、迷惑だったかな…)



『ハナ?』



『ねえ、マコト…』



(ドキン…ドキン…)



目が、合った。

心拍数がはじけそう。



『――…熱か?』



(っへ?)



体温計をガサゴソ。

完全に子ども扱い。



『んな薄着してっから』



バッ、やけになって上着を脱いだあたし。