クスクス笑ったマコト先輩が、得意げに言う。



『お前ら、見る目あんの?』



『すっげ…』



『美男美女…』



『んじゃ。そーゆうコトで』



歩きだした先輩が、ふと振り向いた。



『男が磨けばこーなるんだよ。分かる?』



前川くんに向かって、そう言った。


誰も、なにも言えない。


先輩の迫力。


(怒ってる…?)



『行くぞ。ハナ』



『っはい』



カツカツカツ、ヒールの音が屋上に響いた。



『マコト先輩…』



『あー…?』



教えてあげる――…



(ドキン…ドキン…)