『ふふっ。誰かのために綺麗になるって幸せでしょう?』



『あ、ハイ…』



『男だって同じよ。誰かのためになにかをするの』



『……ハイ』



『幸せなのよ?』



(マコト先輩も―…?)



『あらあらっ。泣かない泣かない』



『――…っずいまぜっ…』



あたし先輩のキモチなんて
これっぽっちも分かってないよ

あたしを綺麗にしようって
傍にいてくれたのに―…



『教えてあげるわ、あのね―…』



『あ…あたし…』



『大丈夫よ。ハイ完成』



仕上がったメイクは

この間よりもずっと大人っぽかった。



『ありがとう…』