「な、なんなんですかあなた!!」


指差して一歩後ずさると狐目の人は困ったように肩を竦めた。



「怪しいモノじゃないです」

怪しい!!見るからに怪しい!!


「そんなウタガイの目を向けないデ下さいヨ」



狐目の人はしゃがんでアレンの額に触れた。



「ワタシは夜陰デス。アレン様……王子にアナタの護衛を任されマシた」



や……いん?



夜陰の様子をまじまじと見つめているとアレンの手がピクッと動いた。



そして



「だああ!!キイチてめえ!!」



起きた瞬間アレンは夜陰の胸ぐらを掴んで怒鳴る。


何がどうなってるのか私にはサッパリ



アレンは辺りをキョロキョロと見渡して夜陰から手を離した。



「振り出しに戻ってるよ……」