「大丈夫か?」



背後からの声にビクッと身をちぢこめた。

知らない男の声。




「アンタ、王子?」



ば、ばばば、ばれた!?


一向に振り向けないでいる私の肩に男の手がのる。



“絶対に声を出しては駄目”


シチの声がこだまする。



だけど、だけど!!
こうゆう時はどうすればいい!?



「悪魔の子か、いい面してるな」



ニタリと笑う男と目が合って寒気がした。



わ、悪い人だあああああああ!!!!



「王子から手を離しなさい」



その時聞こえた声に私も男も目を見開いた。

この声は、シエナ!!



「ちっ、何もしてねーよ」



シエナの姿はまだ見てないけれど、男はすぐに立ち上がって茂みの中へと姿を眩ました。




安堵のため息が無意識にもれていた。