「ねえシチ」

「何?」



シチは一点を見つめていた目をそのまま私に向けた。


「国王様は衆道の気があるの?」

簡単に言えばホモなのか、と聞きたかったんだけど、なんだか抵抗があって言えなかった。



「ああ……ないね。多分。ただ何でもいいんやないかな。自分の快感を満たすためなら」




そっか。確かに。シエナは女の子だもんね

私も女だけど、国王からしたら男。




「多分国王はまた君花のところに来る。

でもちゃんと守るから」

「うん。ありがとう」




シチは一度目線を反らして頬を赤めた。



「あとな。言っときたいねんけど」

「何?」



シチは私に視線を戻そうとはせずに言葉を続けた。