「…………ばいい……」

「え?」


ボソリと呟いた私にシエナの手が一瞬揺れた。
その手を私は掴んでシエナを睨み付けたまま、大きく口を開く。



「なら触ればいい!!」



シエナの手を私の鎖骨辺りに持っていく。
あぁそうさ触ればいい。ありったけの困り顔を見せてやる。

するようにすればいいさ!!


「……君花…」


シエナの手が熱くて持つのも心拍数が上がった。

ケセラセラなんて馬鹿みたい。なるようになったらどうするの?

自分の中で必死に聞いてもやっぱり答えは出なくて、シエナの思惑通り私は困った顔になってる私は


アウアウアウアウι


もうだめ、とシエナの手を離すとシエナのその手がバッと私の向こう側の壁に殴るようにぶつけられた。


ビクッとして肩を揺らす。これ以上シエナの“面白い”の的にはなりたくないのに。