君花の顔の両方に手をついすやすや気持ち良さげに眠る君花の首筋に顔を近付けた。



バレたら避けられる。

バレなきゃいいじゃない。



触れたくてたまらなかった君花の肌に唇を押さえつけると、堪らなくなってシエナは君花の腰に手を回した。



気付かれたら嫌だけど、君花の声が聞きたくなって、胸にいきそうになっていた自分の手にシエナはバッと身を起こした。



「最低だ俺」



ギシッとベッドを軋ませてシエナはベッドの端に座った。


そしてため息をついて額に手をやる。



とんだ生き地獄。



「………シエナ?」


落ちるとこまで落ちていたシエナは、君花の声にギクリと肩を揺らした。



「き、君花!?」



振り返ると君花は何も知らないようで、上半身を起こして目を擦っていた。