「ムキャッ」という奇声は上げたものの夜陰のローブはナイスキャッチ。


「乱暴にしないで下さいよ」

「ゴメン」



素っ気ない返事に私は呆れながら夜陰のローブも壁にかけた。



まだ夜にはなっておらず西の空が赤々と燃えていた。

東の空は少し夜になっている。



私達の窓から見えるのは東の空で、真っ直ぐ向こうには海が見える。



「ねえ夜陰さん。訓練して頂けませんか?」

「うん。いいよ」



少しずつではあったが無効化の訓練が始まっていた。


夜陰の向かいの椅子に座ると夜陰の目を見る。



「じゃア君にネズミにナッテシマウ魔法をかけるから無効にシテね」

「はい」


大事なのは自分が自分であること。そう頷いて目を閉じた。


自分は自分。


自分は自分。自分は自分。